坐禅:Kinectなのに動かない謎のゲームを遊んでみた
Xbox周辺機器のなかで最高かつ最先端のデバイスであるKinect(キネクト)を使った、「和」+「Kinect」を主題としたユニークなゲーム「坐禅("ZAZEN", zen meditation game)」が海外で発売された。
公式の説明によると
「天台宗薬王山普光寺 住職 関口中道の監修により、KINECTを使ってリアルな坐禅体験ができるゲームです。」とのこと
Kinectとはなんぞやって人はこちら
Kinect(キネクト)はマイクロソフトから発売されたジェスチャー・音声認識によって操作ができるデバイス。動力学を意味する "Kinetics" と、繋がりを表す "Connection" を組み合わせた造語である。キャッチコピーは「カラダまるごとコントローラー」、開発コード名は「Project Natal」、「NUI」(ナチュラルユーザーインターフェイス)の一つである。
Kinect - Wikipediaより
Kinectゲームは主にダンスやフィットネスをモチーフにしたゲームが多く、基本的に「身体を動かす」ことを目的としているものが多い。
そんななか登場したこの「坐禅("ZAZEN", zen meditation game)」はなんと、Kinect専用ゲームでありながら「うごかない」ことを目的とした稀有なゲームなのだ!
どんなゲームなの?
「リアルな坐禅体験ができるゲーム」と言われても、微妙に想像がつかないこのゲームには3つのモードがある。
手の状態認識を利用して般若心経を一文字ずつ書いていく「写経」。
音声認識を利用して般若心経を読み上げる「読経」。
そして、身体の状態だけでなく、謎の技術で呼吸まで認識する機能を活用した「坐禅」。
現在日本未発売ではあるものの、基本的に音声は日本語。
字幕や画面の文字については英語だが、プレイにあたって辞書をひく必要を感じるほどの単語はない。
写経、読経に関しては、それほど精密に判定されるわけではなく、得点やゲームオーバーといった要素はない。
1日数文字ずつ写経していくでもいいし、実績のために一気に書き終えてしまってもいい。
読経に至っては、特に喋る必要すらない。
説明動画では丁寧に方法や手順を紹介してくれるので、禅の世界を体験するための入門としてはとても間口が広い。
数息観(すそくかん)とか字幕や音声がなかったら読めなかったので、そういう意味でも入門に良いと思った。
で、坐禅モードはどうなの?
お待たせしました。このゲームのメイン部分である「坐禅」について。基本的にはひとつずつステージをクリアしていき、新しいステージをどんどんアンロックしていく格好のシンプルなスタイル。
ステージは3分から5分、10分と、だんだんと長い時間の坐禅にチャレンジできる。
ステージごとに3Dモデリングされたお寺の境内の坐禅ロケーションが増えていく。
どのステージも木々がざわめいていたり、落ち葉が降ってきたりと、癒やしギミックが心地よい。
音楽もまさに和の音楽で、どっぷり和の世界に浸れる。
サントラがあったら欲しいくらい。
1プレイの流れはどんな感じ?
ステージを選ぶと動画での案内が。自按摩(じあんま)と呼ばれるセルフマッサージから始まり、正しい坐禅の姿勢を丁寧に案内してくれる。
呼吸に合わせて折れ線グラフが上下するといった謎の技術で自分の呼吸を確認し、正しい姿勢を確認したらいよいよゲームスタート。もとい、坐禅開始。
坐禅中に姿勢を崩すと「頭が前に傾いています」「動かないよう、注意してください」といった指示が音声で流れる。
正しい姿勢をキープしていると左上のゲージが溜まっていき、OKラインに到達すればクリア判定。
制限時間に達すると、お鈴が鳴って坐禅終了。
坐禅後のマッサージを動画で案内されたあと、リザルト画面で獲得ポイントが表示される。
キープ時間に応じたポイントと、坐禅メーターがOKラインに到達していればクリアポイントが加算され、坐禅中に一度も指摘を受けなかった場合はパーフェクトボーナスポイントが得られる。
ポイントがたまると坐禅レベルがアップしていき、一定レベルで実績解除される程度。
ちなみに、制限時間が長いステージのほうが多くポイントがもらえる。
広いスペースは必要ない
Kinectには広いスペースを要求されると思われがち。しかし坐禅はそもそも動かない。
要求されるスペースもほとんど必要ないし、なんなら上半身さえ映ってればOK。
特に支障なくプレイできた。
坐禅の効果
以上でだいたい説明できたと思う。坐禅としての効果はおそらく人によって結構違ってきそうなので、まずは自分の体験を書き記しておきたい。
ちょっと襟を正して真面目に案内に従って坐禅を組んで見ると、以下のような反応が出た。
・睡眠時間が早くなり、朝はやく自然に目覚めるようになった
・坐禅中、数息観をすることによって平常心をキープできるようになった気がする
・背骨のあたりが熱くなり、じっとしていられなくなることがあった。
身体のサイクルが正常化したような気がするが、早く起きすぎて日中すごく眠くなったりする。
平常心のあたりは気のせいかもしれない。
3つめは自分でもよくわからず、専門家の見解が気になる所。
何にせよ変化が見られたので、今後もちょっと続けてみようかと思っている。
複数人で遊んでみた
先日、カラオケのパーティールームをつかって、複数人でも坐禅をプレイしてみた。どうもKinectに映り込んだ人が居ると判定がブレてしまうようで、ちゃんとした遊び方はできなかったものの、坐禅を組んだ友人をみんなで囲む様に朗らかな笑いが起こった。
ムキになって遊ぶタイプのゲームではないし、スコアを競うことも目的のひとつに過ぎない。
しかしながら、普段あまりなじみのない「坐禅」を、カジュアルに楽しむことができたのは間違いない。
日常生活や仕事、人間関係において、自分の心が乱れているようなマイナスな何かを感じた時に坐禅を行って下さい。
Kinectがあなたの骨格を読み取り、正しい坐禅をサポートします。
やることはシンプルながら、なんとなく良い流れを獲得できそうなポテンシャル。
定価は9.99ドル=約1000円。
日本版の発売も視野に入れているとのことなので、それまで待ってみてもいいし、ノリで買っても痛くない金額。
せっかくKinectを持っているなら、試してみてもいいのでは!?
リンク
・「坐禅」購入ページ - マイクロソフトストア(米国)・「坐禅」公式紹介ページ(日本語)
・「坐禅」公式ページ(いまのところ英語)
・「坐禅」紹介動画(英語)
・クラブ「ZAZEN JAPAN」
・クラブ「ZAZEN to SATORI」
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