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おすすめゲーム愛撫:FEZ(フェズ)


マイナーゲーマーのはしくれとして、
ぜひ強くオススメしたいゲームがある。

それが今回紹介する「FEZ(フェズ)」だ。

2012年4月にXbox 360用がリリースされ、その後Windows、OS X、Linux、SteamOSPlayStation 4PlayStation 3PlayStation Vita用がリリースされた。
(上記リンクはいずれも各プラットフォーム紹介ページ)
ファンシーなドット絵が小気味よく動き、8bitテイストのBGMと、
それをフル活用した演出が光る、
3Dと2Dの中間を行くパズル・アクション・アドベンチャーゲーム。

パズルは時に難解で、ノーヒントで全ての謎を解くのは難しい。
それでいてクリアするには丁度よい絶妙なバランス。

特筆すべきは随所に登場する驚きの演出。
こればっかりは前情報はナシで体験してもらいたい。
ゲーマーなら必ず驚く体験が待っている。

筆者が愛してやまないこのゲームのすごさを、
ひとりでも多くの人に知ってもらうための記事です。

FEZのここがスゴい!「アイデア」


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ぱっと画面を見ただけでは、
ただ3D処理されているドットゲーに過ぎないように見える。

もうすこしこのgifアニメをよく見てみよう。
そのまま進めば穴を飛び越えなければならない箇所を、
視点切り替えによって短縮し、穴などなかったかのように進んでいる。

視点ごとに「見えているものが全て」となり、
切り替え前に見えていたものとはまた別の解釈で進行するのだ。
つまり、奥行きが消失されているのである。

「発想の切り替え」を、よくぞここまで破綻なくゲームに落とし込んだと言える。
2Dの住人が3Dの世界を歩むというのは、こういうことだといわんばかりに。

FEZのここがスゴい!「ガチの謎解き」

極めてファンシーな見た目ながら、
ゲームでしか表現できない新たな常識を打ち出している。

それゆえに、この時点で「難しそう」「どういうことなのか」と、
疑問や不安に駆られる人も少なくないだろう。

その点に関しては、比較的緩やかにユーザーの理解度にそって進行するため、
あまり身構える必要はない。
極端にシビアな操作は要求されず、ゲームオーバーやキャラの死もない。
進む道は試行錯誤で必ずひらかれる。

「ガチの謎解き」と題したのは、立体の常識だけでなく、
ゲームの根幹とも言える常識をも飛び越えてゆく謎解きにある。

いくつかの謎は、つい攻略サイトを見てしまったが、
それでも攻略できた手応えと、解法に対する納得感は充分に得られた。

エンディングを迎えるにあたり、全ての謎を解く必要はない。
必要はないとわかっていても、しばらく頭の片隅に居座る未解決の謎。
そして、ふと思いついた方法が正解であった時の手応えは、素晴らしいものだった。

ネタバレになるので詳しく説明できないのがもどかしいが、
FEZには、アイデア一発勝負ではない奥深さがあるのだ。

FEZのここがスゴい!「ドットアニメーション」


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プリンス・オブ・ペルシャ、メタルスラッグやルドラの秘宝、
聖剣伝説、七ツ風の島物語と聞いて胸が高まるなら、
間違いなくこのゲームと相性がいい。

FEZでは、わずか数ドットのモブキャラですら細かくアニメーションしていて、
小鳥や蝶などの昆虫、植物に至るまで、それは風を感じられるほどの空気感。


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主人公ゴメズは、そのなかで群を抜いて豊かに動くうえに、
身につける小物にも徹底的にこだわって作られている。
そしてそれら小物がゲーム進行上において、一定の必然性をもって存在している。


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これらの繊細な仕事によってもたらされた世界に、
初回プレイからどっぷりと浸ってしまっていた。

FEZのここがスゴい!「演出」


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昨今のドットゲーは、かつて機械的な制限であったものを、
表現手段のひとつとしてあえて採用している傾向がある。

その恩恵として、求められる操作や仕様が最後まで保たれる安心感があるが、
一方で、それを飛び越えるような演出は体験できない側面がある。
つまり、「退屈」と紙一重ということ。

ましてやパズルゲームであれば、なおさら退屈感は否めない。
予想できる未来はより難しいステージと、それをクリアする快感。
クリアできなければ解けない謎に延々と向かう苦痛だけだ。


FEZでは、各エリアごとにバラエティ豊かな表情を見せ、
時間とともに移りかわる空模様や光の表現も美しい。
似たようなマップを延々探索するような思いはしないで済むが、
FEZにとってそんなバリエーションは基本を踏襲しているだけであり、
「部分」に過ぎない。

FEZの演出は、ともすれば故障を疑うレベル。
例えば、「バグか?!」と、うっかりリセットしそうになる演出をはじめ、
いわばメタ的な要素をも含んだ本気の演出がふんだんに盛り込まれている。

具体的な説明は伏せたが、是非あなた自身で体験してほしい。
とても言葉では説明も表現もできない。
ゲームという媒体だからこそ、コントローラーを握って体験してもらうほかはない。

本当は実況プレイ動画を掲載するつもりだったが、FEZは現行機種で販売中。
他機種展開もしているので、あなたにあったプラットフォームで楽しんでいただきたい。
そして、この感動と体験を共有したいと強く願うばかりである。

すごいFEZの悲しい知らせ

 Xbox LiveやPC向けにリリースされたインディーズゲーム「Fez」PC/Xbox 360)を生み出したカナダのフィル・フィッシュ(Phil Fish)氏が,その続編の開発を中止すると共に,ゲーム業界からの引退を発表するという“事件”が,アメリカのゲーム業界やゲーマー達の間で大きな話題になっている。その発端となったのが,アメリカのゲームジャーナリストとの動画やTwitterを通じた公開喧嘩というから何とも奇妙な理由であるのだが,今回の連載では,その経緯や真相について詳しく解説してみたい。

Access Accepted第392回:ゲーム業界の異端児が,早過ぎる引退表明 - 4gamer.net
http://www.4gamer.net/games/036/G003691/20130802096/

上記記事にある通り、
フィッシュ氏の気が変わらない限り、次回作は出ない。

初代FEZは現時点でも手に入る手段は残されている。
しかし、いつ配信終了になってもおかしくはない。

なんともやりきれない気持ちになってしまうが、
いちインディーゲームの続編終了がここまでニュースになることは珍しい。
それだけ期待されていたゲームだったという証明にはならないだろうか。

幸いなことに、まだフィッシュ氏は生きている。
この記事が新たなFEZファンを産み、大きな評判につながることで、
彼の気が次回作開発に向かうことを望まずにはいられない。

新たな謎と、新たな驚きを、いまでも待ち続けているのだから。

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