ドラクエ11:懐古厨にとってのドラクエXI(ネタバレなし)

普段流行りゲーにはあまり手を出さないというか、
そもそもXboxをメインに遊んでいると縁がないのだけど、
最後までプレイした今、なぜドラクエXIを買って、遊んだのか考えてみる。
ぼくと ドラクエとの かんけい
ドラクエシリーズとの出会いは1作目から。
キャラが成長していくことにも驚いたし、ふっかつのじゅもんを聞いておけば電源を切っても続きから遊べることにも驚いた。
難しいところでも時間をかけて育てておけばなんとかなる。
ふっかつのじゅもんがあれば、かけた時間は無駄にならない。
3あたりから小学校のクラスでも流行りだして、進行状況とかキャラや謎について語るのがとても楽しかったのを覚えている。
特に3はパーティー編成が自由だから、会話のなかでそれぞれのスタイルを垣間見たり、直接そいつの家で見せてもらったり、描いた絵を見せ合ったり、結構なコミュニケーションツールとして機能していた。
そんな大好きなシリーズではあったが、繰り返されるお使いに嫌気が差し、シリーズ間の繋がりも希薄に感じられて、6の序盤で投げてしまった。
(のちに6は天空・ロトシリーズを包括する要素があると知ることになる)
それ以降のシリーズは全く知らない。
亜種も沢山出てきて、あの頃のドラクエはもうどこにもないなあなどと懐古厨らしさ全開に、半ばヒネた目で見ていた。
そんななか「数年ぶりにドラクエ本編の新作出るぞ」との情報が。
ドラクエ11が あらわれた!
ヒネた目のまま公式に飛ぶと「PS4と3DSで登場!どちらをえらびますか?」とある。
さらに3DS版には2Dモードと3Dモードの2画面で遊べるとも!
待ってましたそれ!2Dサイコー!
2Dモードがあることはとても重要で、ひとことで言えば「視点変更もミニマップも使わずに地理が把握できる」という点に集約される。
リアルな3Dのほうが正確に地理が把握できるのでは?
と思う人も居ると思うが、つまりはこういうことだ。
3Dではどうしてもモノの向こう側にあるものは見えないし、見るためには視点をグリグリ動かす必要がある。
例えばPS版DQ4では部屋の出口すら壁に隠れてしまって、ぱっと見でわからない。
建物に入ろうと入口を探すにも、視点を操作しながら建物をグルッと回らなければならないこともあった。
そうしてグリグリ動かしているうちにどっちを向いていたのかわからなくなり、迷う。
迷うからミニマップがとても役に立つ。
……だったらはじめからミニマップ上で移動したい=2D最高!
というわけなのだ。
なんかすごい ようじょが あらわれた!
イメージイラストの鳥山明キャラらしからぬ頭身の高いキャラに「なんだかなー」などと、ここでも懐古厨を発揮していたところ、ただひとり鮮烈に目に飛び込んできたキャラクターが居た。
どうみても子供の姿で「子供扱いしないでよね」とのセリフを吐く、ベロニカだ。
自分は自他共に、親族までもが認めるロリコンなのだが、2次元よりも3次元派。
2次元はなんでもアリすぎてあまり好みではない。
それなのに彼女にはとても惹かれた。
カマボコ型の目と縦につぶれたようなフェイスライン。まさに好みのど真ん中。
パッケージ絵ではのびのびとした表情とポーズで可愛らしく描かれている。
「あたしの期待を裏切らないでね」とのセリフや、共に行動をするセーニャののんびり加減にやきもきするといった一面もあり、見た目よりも随分と大人なようだ。
「どんな子なんだろう」
この子の行く末を見届けたい。
3Dオンリーだったら嫌だけど、2Dでも遊べる。
そこが決め手となり、店頭にパッケージが置いてあったことが背中を押して、購入に至ったのだった。
プレイの かんそう
全体的に親切設計。
アイテムや呪文には必ず説明がついているし、効果もわかりやすい。
倒したモンスターは自動で記録されて、いつでも観られる。
沢山の要素も整理されて表示されるので、特に混乱するような状況にはならない。
進行状況はこまかく段階的に設定されていて、仲間のセリフが逐一更新されていくのが非常に丁寧。
「これまでのあらすじ」機能でいままでの流れとこれからすべきことを丁寧に提示してくれるので、やることも見失わない。
戦闘は比較的やさしく丁寧に調整されているので、ストーリーに集中してプレイできるのが良かった。
初回プレイはヌルくてもいいから、筋書きをちゃんと追いたい派としては嬉しい限り。
そして、メインクエストやサブクエスト、パーティとの会話でさらにキャラクターのパーソナルな部分に触れることができるなど、全体的に集中して追いたくなるだけの魅力がある。
もちろん、購入動機となった「どんな子なんだろう」も見事に解消していったし、そうしてよりベロニカが好きになった。
2Dか 3Dか
2Dモードが嬉しくて購入に至ったわけだが、イベントでは3Dのほうがよく動くし表情もわかるので、結局3Dモードメインで進めるようになった。
2Dで進めたシーンを振り返って3Dで見直すことも可能だが、そんな時間あったら本編を先に進めたい。
また、3Dモードはシンボルエンカウントなので、道中のモンスターをほぼ完全に避けて進められる。
探索と仕掛けに集中したい派としてとてもありがたい。
途中で戦闘が入ると迷子になってしまう。3Dでは特に。
サブクエスト等で2度めの探索をする場合は2Dで遊ぶといいと思う。
空や海を移動するときも2Dのほうが見やすい。
こさん むけ?
随所に過去作の要素が効果的にちりばめられている。
というよりもむしろ、これまでのシリーズの美味しいところをひとまとめにしたような印象。
「しんでしまうとは なにごとじゃ」など、シリーズでおなじみのシチュエーションを思わせる要素やセリフが、物語の邪魔をしない程度にさしこまれている。
特に3DS版では過去作の世界を垣間見ることができる「時渡りの迷宮」があるため、知っていれば「ニヤリ」とできる要素が多いのは間違いない。
不便を便利だとするような古参臭い要素は皆無で、便利な部分は徹底的に便利。
難易度だけで語ればヌルゲーの範囲とも言える超ゆとり仕様。
かといってつまらないわけではなく、効率が悪くとも好みの装備にこだわって進めることが出来たので、かえって自由に楽しむことができた。
効率が求められるゲームの場合、選択の自由がなくなってしまう。
そもそもドラクエは、難所でもとりあえずレベルを上げればなんとかなるものだ。
FC版ドラクエ2みたいな調整漏れによる高難易度化はイレギュラーのうち。
ゆとり仕様=新参向けとは言い切れないが、
少ない時間をやりくりしてプレイする環境のプレイヤーにはマッチしている。
最近のゲームらしくないなと思った点で言えば、ボイスがないことと、課金要素が無い程度。
これだけのヌルさを誇る一方で、低レベルクリア等のやりこみを目指したくなる側面もあることから、まだまだドラクエ11の世界は終えられないと感じた。
じゅうばこの すみを つつく
総じてベタ褒めになってしまったが、気になった点もいくつかある。
「重要イベントムービーのモデリング」
オープニングをはじめ重要なシーンではプリレンダされたムービーが流れる。
確かに美麗で、シーンを豪華に盛り上げ強く印象付けることに成功している。
しかし、いままで動かしてたキャラとの違和感が強く、見た目が変わる衣装を装備していても反映しないため、没入感は削がれてしまった。
できたら通常のイベント同様のモデルで動いてほしかった。
3DSのモデルはローポリでカクカクではあるが、これまで自分の手で動かしていたモデルが急にリアルになると違和感が勝ってしまう。
もうひとつはマップ踏破の重要度が低すぎる点。
過去シリーズ同様に今作も移動範囲が広がる乗り物があるのだが、行きたいところに行けるというより、次の目的地に行くためのものといった印象が強い。
ここで言う「行きたいところ」とは、例えばドラクエ1で言う竜王の城のような「序盤で見たことがあるが、行けなかった場所」のことを指す。
3D版は下画面のミニマップ内を3D視点で移動する感じなので、移動できる範囲の外は見えない。
2D版のミニマップは広く見渡せるものの、「いつか行きたい」と思わせる仕掛けはあまり多くない。
なにより、上陸できるかどうかがわかりづらいうえ、上陸できても全く意味のない場所もある。
それらは「名も無き地」と称され、ストーリー上もサブクエスト上も全く行く必要が無い。
なのでつい「まだ余地を残したままリリースしたもの」と勘ぐってしまう。
エンディングを おえて
アイテム・モンスター討伐リスト・クエストをコンプしたところでとりあえず終了とした時点での感想としては、「買ってよかった」「遊んでよかった」と言ってしまうくらいのめり込んだのは間違いない。
旬のうちに遊んだこともあって、友人との情報交換や感想を言い合う機会にも恵まれた。
これは、普段マイナーゲームで遊んでいるため話し相手などほとんど居なく、懐かしい感触でもあり、密かに渇望していた機会でもある。
約半年経って、ドラクエ10へ誘導する広告をよく目にするようになったが、うっかりその誘導に乗ってしまいそうな自分が居る。
すれちがい要素が相当な長期戦を要求するので、まだしばらくは3DSを携帯する日々は続きそうだ。
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